おわりに

 
「なんで、ハチ?」 総合学習のテーマが「ハチ」と聞いたとき、ぼくも家族もビックリした。数年前、お墓まいりに行って、ハチに刺され病院に行った痛い思い出があるからだ。「ハチ」というと、どうしても「コワイ」とか「痛い」というイメージしかなかった。

お父さんと一緒に竹を取りに行って竹筒トラップを作っている時も、この先一体どんなことが起こるのか、また本当に「コワイ」ハチを呼び寄せることにはならないのか、不安だった。

はじめて竹筒トラップに巣を見つけた時は、うれしかった。それを割ってみて、ドロできれいに部屋に仕切られているのを自分の目で見た時、とても感激した。人を刺さないことがわかったので、近くで観察しても安心で、青虫やドロを運んで来るのをすぐそばで見たり撮影したりできておもしろかった。

特に交尾や竹筒のそうじや巣作りを運良く見れたのは、ラッキーだった。

この竹筒トラップによるハチの生態調査をして良かったことは、一言で「ハチ」と言っても、みんなが連想するようなスズメバチやアシナガバチだけでなく、ぼくの竹筒トラップに巣を作ったオオフタオビドロバチやオオハキリバチのように、「人を刺さないハチ」もずいぶんたくさん身近にいることがわかったことだ。

オオフタオビドロバチは、野菜や庭木につく青虫を麻酔針でしとめて、幼虫のエサとして巣に持ち帰るし、オオハキリバチは、エサとして花粉を運ぶので、受粉に役立っている。このように、「人間の生活に役立つ」ハチもいるのだ。

しかし、一年生全員が各家庭で竹筒トラップを設置したにもかかわらず、なかなかハチが入らなかったようだ。その原因として、「環境」があげられる。ずっと観察してきて、竹筒トラップにハチが巣作りをするには、日当たりや気温、風通しだけでなく 「エサとなる青虫や花粉」「巣の材料となるドロやヤニ」が、近い所にないといけないことがわかった。

ところが、最近どんどん田んぼや畑が宅地に変わり、林や森も開発のため伐採され、ハチにとっては住みにくい環境になってきている。「人間の生活に役立つ」ハチを保護するためにも、自然環境は守っていきたいと思った。


ただ家で観察するだけでなく、学校と博物館と他の学校を結んでテレビ会議ができたことで、もっと世界が広がったと思う。離れていても博物館の専門の先生から感想やアドバイスが聞けるし、わからないことも教えてもらえるからだ。また、遠くの学校の様子も映像で見ながら比較できるので楽しかった。

ぼくが撮ったハチの交尾の映像も離れている3地点で同時に見れるなんて、すごい!と思った。


一番うれしかったことは、博物館の先生や遠くの大学の専門の先生からメールをもらって、ほめてもらったことです。交尾(野外での)の様子は、専門の先生が10年間研究していても見たことがない・・・と言われて、自分でも「そんなお宝映像だったのか!!」とビックリした。またぼくが予想した「20℃」というオオフタオビドロバチの活動開始時期も、専門の先生が大学で実験によって証明されていると知って、うれしくなった。

これもインターネットがあったからだと思う。遠く離れている専門の先生方(出会ったこともない先生方をふくめて)からメールで感想やアドバイスをもられるなんて、インターネットがなければ考えられないことだ。

わからないハチの名前を検索したり、「竹筒トラップ調査隊」に参加している学校のホームページを見たり、博物館のホームページを参考にしたり、アメダスのデータを手に入れたり、植生分布図を調べたり・・・と、ホームページやメールがたいへん役に立った。


人と自然の博物館の坂田先生、橋本先生、東北学院大学の郷右近先生、兵教大附属中学校の藤原先生や諸先生方のご指導、そして家族や親戚の協力のおかげで、観察やホームページができました。どうもありがとうございました。

-おわり-

 

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